ポルシェ最初のクラブスポーツ、911 3.2カレラ クラブスポーツ【ドイツ本国新車並行輸入車】が当店ユーザー様より入庫しました。
このモデルの最大のポイントは本国仕様である事。
911最初のフルモデルチェンジとなる74年モデル以降の901/930シリーズはアメリカの安全規制の問題で大型のバンパーが採用された事は有名な話ですが、それ以上に大切な走行性能に本国と日本・米国では違いがある事は意外と知られておりません。
当時日本仕様はカレラ・ターボ共に排ガス規制の問題で本国仕様よりもスペックが劣るものとなっており、空冷ポルシェ最大の魅力とも言えるエンジン高回転域の伸びがスポイルされてしまっており、走ればその差は歴然たる違いでした。
今回入庫したこの3.2カレラ クラブスポーツは特に日本仕様との差が大きいモデル。当時正規輸入されたいわゆるディーラー車の3.2カレラにも同じクラブスポーツの設定がありましたが、この本国仕様とは全く別のモデルとなります。
通常の本国仕様3.2カレラに対し、軽量化のためパワーウインドウ・パワーシート・リアワイパー・集中ドアロック・ラジオ(現車は後付けオーディオ付)・リアシート・エアコン・防音用インシュレーター・防錆用アンダーコートの他、助手席サンバイザーや左右ドア内張ポケットの蓋、リアエンブレムまでをも取り除く徹底ぶり。
ミッションはショートストローク化され、エンジンはDMEチューンとバルブの変更による出力アップ(表向きカタログスペックは変更がない為諸説あり)によりその最高回転数は6520rpmから6840rpmへと変更。
そのクランクケースには通常打刻の横に"SP"と意味深な刻印が入ります。
残念ながら当時日本に正規輸入された3.2カレラ クラブスポーツは名ばかりの物で上記の様な変更点は無く、通常の日本仕様カレラにリアスポイラーを付けた程度で目立つ軽量化もないモデルでした。
その生産台数は259台(日本・イギリス・アメリカ仕様除く)
後継モデルとなる964カレラのスペシャルモデル”RS”への礎となる大変貴重なモデルのため世界中のポルシェコレクターから密かに注目されており、今年春ヨーロッパで開催されたオークションでは同モデルで11万キロ以上走った個体が日本円換算2200万円以上で落札されております。
当時物の本国取説他整備明細も保管あり。
大切にしていただける次のオーナー様からのお問い合わせをお待ちしております。
装備詳細
モデル年数 | 1988年 |
---|---|
走行距離 | 27,000km |
ボディカラー | グランプリホワイト |
インテリアカラー | ブラック |
乗車店員 | 2名 |
登録(日本) | 1988年8月 |
---|---|
車検 | 2022年2月 |
修復歴 | 無し |
グレード | 3.2Carrera CS |
ワンオーナー | - |
スペック
ミッション | 5速MT |
---|---|
最高出力 | 231ps |
型式 | 不明 |
使用燃料 | ガソリン |
駆動方式 | RR |
エンジン | 水平対向6気筒 |
---|---|
過給機 | なし |
排気量 | 3200cc |
車両重量 | 1190kg |